「改正」教育基本法の強行採決による成立に抗議し、
教育現場への押しつけを許さない
2006年12月19日
日本マスコミ文化情報労組会議(MIC)
議長 嵯峨 仁朗
自民・公明両党は「改正」教育基本法の審議を打ち切り、12月15日夜、参議院本会議において教育基本法「改正」案を採決し、可決させた。この採決は、大多数の国民世論に背を向けたものである。世論調査では、今国会での採決には反対の声が多く、慎重審議・廃案を求める声が圧倒的であった。しかし、自民・公明両党はその世論を無視し、多くの国民の声を踏みにじって特別委員会での強行採決を行った。
その強行採決にいたる手続きについても、14日午前からの会議の流れから逸脱し、質疑の途中で出された質疑の打ち切り動議を野党の抗議を無視して取り上げ、総理大臣不在のなかで直ちに採決を行うという、国会のルールを無視した暴挙であった。
そして翌15日、数にものを言わせた自民・公明両党はついに、野党と国民の反対の声を押し切って、参議院本会議での採決に踏み切った。
「改正」教育基本法は、法案審議の段階から、国や行政による不当な支配を許し、さらに愛国心の押しつけに見られるように日本国憲法第19条で禁じられている「思想及び良心の自由」を侵している。しかも、審議時の文部科学大臣の答弁で、自民党の新憲法草案との整合性がとられていたことが明らかになった。つまり、「改正」教育基本法は、憲法第98条・99条に違反する法律であるといえる。この法律は同時に憲法遵守義務にも違反していると言うべきである。そして教育基本法の改悪は、憲法改悪への一里塚であることは間違いない。
私たちは、教育現場に競争原理を持ち込み、子どもたちと日本社会の未来を暗黒に陥れ、戦争をする国や格差社会を是認する「物言わぬ国民」を育成するための教育政策を行う「改正」教育基本法自体はもちろんのこと、33におよぶその関連法の具体化と教育現場への押しつけを、断じて許すことはできない。
私たちは今ここに、この悪法を成立させた政府、与党である自民党と公明党に対して強い憤りを持って抗議するとともに、マスコミ産業に働くものとして憲法改悪とそれに関連する悪法の制定や法改正を許さないとりくみを全力で行っていくことを決意する。
以上
沖縄のマスメディア労働者と連帯し、
放送局の「指定地方公共機関」
受諾拒否を求める声明
2006年2月7日
日本マスコミ文化情報労組会議(MIC)
議長 美浦克教
有事法制のうち「住民の保護」を名目に、全国各地で放送局の指定が進んでいる「指定地方公共機関」をめぐって、これまで「取材・報道の自由を脅かす懸念が払拭されていない」として沖縄県からの受諾要請を留保してきた同県内の民放5社が1月31日、県に「意見書」を提出し、県は2月2日、「放送事業者の立場を尊重する」旨の「回答」を発した。これは、「指定公共機関化」を危ぐする声を押し切り指定を受諾するための、形だけの手続きとしか考えられない。現に同様の手続きは沖縄以外の地域でもこれまでにみられた。わたしたちはマスメディアで働く者として、「言論・表現の自由」「知る権利」を阻害する恐れが大きい「指定地方公共機関」に放送局が組み込まれることに断固反対するとともに、指定受諾に反対している沖縄のマスメディア労働者と連帯し、沖縄県内の民放5社が受諾を拒否するよう強く求める。
放送を含めてマスメディアは、社会に必要な情報を速やかに伝達することを責務としている。そして平時であれ有事であれ、政府や公権力から流れる情報に対しては、社会の負託を受けた「権力のチェック機能」を独自の立場で発揮し、検証しなければならない。「指定(地方)公共機関」にマスメディアが組み込まれることには、この「権力のチェック機能」を果たしていくことができるのか、重大な懸念と疑義が残る。
有事の際に、軍事組織と戦争体制国家が住民に何を強いるかは、61年前の沖縄戦を見れば明らかであり、そのときにマスメディアがどんな役割を担わされてしまったかもまた明らかだ。沖縄に限らず、マスメディアは言論統制下に置かれて戦争の実相を市民に伝えることなく、むしろ戦意を鼓舞する「大本営発表報道」によって、多くの市民を死に追いやった。マスメディアはその愚を2度と繰り返してはならない。
仮に、沖縄県内の民放5社が指定地方公共機関の指定を受諾すれば、全国の放送局の「戦争国家体制」への組み込みがほぼ完成し、「戦争国家」を目指す動きはさらに加速することが危ぐされる。しかし、今、わたしたちが考えなければならないのは、有事を前提とした戦争国家体制の構築ではなく、有事を起こさせないことだ。平和憲法を生かし、国際社会で日本がどんな役割を果たしていくかだ。
わたしたちは、沖縄県内の民放5局に対し、毅然として県からの受諾要請を拒否するよう、強く求める。
以上
共謀罪の新設に反対する声明
与党圧勝に終わった衆院選後の特別国会に、政府は「共謀罪」の新設を目的とする法改正案を上程した。過去2回上程されながら、厳しい批判を浴びて実質的審議にすらなかなか進めなかった、いわくつきの代物である。わたしたち日本マスコミ文化情報労組会議は、人間の内心を取り締まり、「思想・信条の自由」を、さらには「言論・表現の自由」「知る権利」をも危うくするものとして、共謀罪の新設に断固反対し、廃案とするよう求める。
共謀罪の最大の問題点は、未遂を含めた実行行為を処罰対象とする現行の刑法体系の原則を根本的に変え、実行行為以前の精神の営みまでを取り締まりと処罰の対象にしてしまう点にある。日本の法体系、さらには民主主義の根幹にかかわる問題であるにもかかわらず、国民的な議論もないままに、関連法令の一部手直しといった矮小化した形を取って、特別国会の場で一気に可決、成立にもっていこうとの姿勢は、それ自体、民主主義を破壊する暴挙に等しい。
共謀罪新設を柱とする法改正案は、2000年に国連総会で採択された「国際組織犯罪防止条約」の批准に必要な国内法の整備のためだと説明されている。しかし、法改正案では共謀罪が適用される団体の範囲も、対象になる犯罪の範囲も何ひとつ明確にされていない。また、共謀があったことを捜査・公安当局が立証する方法は極めて限られている。内部からの密告か、外部からの尾行、盗聴、隠し撮り、電子メールや郵便物の無断チェックなどしかない。共謀罪の新設が引き金になって、これらの行為が広く合法化される事態が必ず到来する。そうなれば、憲法が保障する検閲の禁止、通信の秘密は有名無実のものとなる。
同時に、こうした動きが、いわゆる「ビラまき逮捕」の続発にみられるような特定の政治的主張を狙い撃ちにした弾圧が現に起きている中で進もうとしていることに危機感を抱いている。国民保護を大義名分とした有事法制への放送メディアの取り込みなど、「言論・表現の自由」「知る権利」は危機的状況にある。こうした流れの果てに憲法9条が改悪されるならば、日本は自由な言論を封殺し、米国に従って世界中、どこででも戦争に加わることができる国になってしまう。
わたしたち日本マスコミ文化情報労組会議は自由な言論、自由な表現活動を守り、共謀罪のみならず「言論・表現の自由」「知る権利」を脅かし、憲法を改悪しようとするすべての動きに断固反対することを表明する。
2005年10月20日
日本マスコミ文化情報労組会議(MIC)
議長 美浦克教
憲法を中心に据えた争点報道を求める
〜衆院選終盤に際してのMIC声明〜
郵政民営化法案の参院での否決に端を発した衆院選は、報道によれば序盤は自民党が優勢、単独過半数を確保の勢いと伝えられている。わたしたちは、11日の投開票までの残りの期間に、メディアが今回の選挙が持つ意味と争点をより多面的、多角的に取り上げ報道するよう求める。
小泉純一郎首相は「今回の選挙は郵政民営化の是非を国民に問うもの」と、争点を郵政民営化に絞り込み「改革断行」の姿勢を強調する。民主党など野党の主張も、郵政民営化への反論を中心に報道される状況が続いている。しかし、争点は郵政民営化だけであるはずがない。
わたしたちは、数々の争点の中でまず第一に憲法問題こそ中心に据えられなければならないと考える。自民党は政権公約の中で「日本の基本を変える」とし「新憲法制定への取り組みを本格化」「子どもたちの未来のために教育基本法を改正」と明記している。自民党が指向する新憲法とは、8月1日に公表された新憲法草案一次案を見れば明らかなように、「自衛軍」の保持と海外での武力行使を可能にする、つまり日本が再び戦争をできるようにする憲法だ。まさに平和主義を捨て「日本の基本を変える」ことにほかならない。しかも自民党は結党50年のことし、11月にも新憲法案の最終案を公表する。「日本の基本」をこうした方向に変えていくことの是非こそ、今回の選挙の最大の争点であるはずだ。
郵政民営化にしても、わたしたちはなぜ民営化がただちに日本を「改革」することになるのか、疑問を抱いている。郵政改革とは郵政を「官」の保護から引き剥がし、市場の競争原理に放り込むことにほかならない。しかし、公共性の高い事業を、全面的に競争原理に委ねてしまえばどうなるか。その答えの一つをわたしたちはことし4月、尼崎市のJR脱線転覆事故で見せつけられたはずだ。郵政民営化は今回の選挙では、「強い者はより強く、弱い者はより弱く」の新自由主義路線をこのままさらに推し進めるのか、それとも、だれもが安心して暮らせる社会を目指す方向へ転換するのか、その象徴としての「最大の争点」であるはずだ。
わたしたちは、戦後60年に施行される今回の選挙で問われるべきは、平和と民主主義、そして「個人はみな個人として尊重される」との憲法の精神を基盤においた日本社会を変えてしまうことの是非であると考える。投開票までの残る期間に、各メディアがこうした観点から争点を掘り下げ、厚みのある報道に努められるよう強く求める。
2005年9月6日
日本マスコミ文化情報労組会議(MIC)
議長 美浦 克教
日本プロ野球選手会を断固支持する声明
昨日のプロ野球オーナー会議は、オリックスと近鉄の合併が正式承認した。労組・日本プロ野球選手会が「オリックスと近鉄の合併が1年間凍結されない場合」、ストライキでたたかうことを決定し、団体交渉を求めているにもかかわらず、交渉前に合併を正式承認したことは労働組合軽視の謗りを免れない。
プロ野球選手会は1985年、東京都労働委員会によって労働組合として承認されている。8日の東京高裁の仮処分却下の決定にしても、今まで日本プロフェッショナル野球組織(NPB)がかたくなに否定してきた、選手会の労働組合としての正当性が改めて確認され、NPBに対し誠実な交渉義務を尽くさなければ不当労働行為の責任を問われると警告している。
合併が実施されれば選手のリストラは必至であり、解雇や年俸の切り下げも予想される。選手会が合併問題で団体交渉を求め、スト権を確立したことは労働組合として当然の行為である。ストライキ実施には損害賠償を請求するとの経営者側の主張は労働組合への恫喝に他ならず、争議権を否定した不当労働行為というしかない。
赤字が原因であるということ以外の具体的な説明がなく、なぜ合併なのか、他の方法はなかったのかについての十分な説明、協議の機会もなく、性急に手続きだけが進み、球団が消滅してしまうことについては、選手会のみならず全国のプロ野球ファンも到底納得することができない。
私たち日本マスコミ文化情報労組会議は、選手会が結成される際に相談を受け、結成を支援してきた経緯がある。選手会は日本の文化・芸術を守っていくべき私たちの仲間である。
日本マスコミ文化情報労組会議は、日本プロ野球選手会を断固支持する。
2004年9月9日
日本マスコミ文化情報労組会議(MIC)
議長 明珍 美紀
MIC年末闘争決起集会
集会アピール
総選挙が終わるのを待ちかねたように、小泉政権は自衛隊のイラク派兵に向けて走り出した。国会での論議も避け、自衛隊派遣をなにがなんでも既成事実化しようとするその姿は、世界の人々に深い失望を与えている。
そもそもイラク戦争は、アメリカが国連を無視して一方的に先制攻撃をしかけた、まったく道理のない戦争である。アメリカが攻撃の理由とした「大量破壊兵器の存在」は今に至るも発見されることなく、ブッシュの戦闘終結宣言以降も連日のように現地での戦闘行為は絶えることがない。米軍の死者は既に「戦闘終結」前を上回り、攻撃対象は国連やイタリア軍など、米軍以外にも拡大している。イラクを解放すると称して始まった侵攻は、今や「第二のソマリア」ともいわれるほど、泥沼の戦場状態をイラク全土にもたらす結果となった。
こうした悲惨な現状に日本が自衛隊を派遣すれば、アメリカ軍による占領を補完するために軍隊を送りこんだ敵国として、イラクのみならず世界のイスラム民衆に、日本は長く記憶されることになろう。
アメリカ一辺倒で自衛隊を派兵しようとする小泉政権の狙いは明らかだ。戦闘状態のイラクに自衛隊を派遣できるなら、集団自衛権の承認から戦争放棄をうたう日本国憲法の改悪へと至る道筋がたやすく確立されることになろう。
日本の憲法は、日本が世界に誇ることのできる最大の財産だ。国際平和を誠実に希求することを義務とした憲法に違反するイラク派兵を、私たちは断じて許すことはできない。
子どもたちに愛国心を強制し、国民を戦争のできる国づくりに動員しようとする教育基本法改悪の動きが強まっている。メディアを有事法制の指定公共機関とし、国家統制下におこうとする動きも近く急浮上するだろう。マスコミ文化情報産業をになう私たちに課せられた役割は大きい。
平和と正義のために、MICはたたかう!
2003年11月14日
自衛隊イラク派兵反対! 秋期年末闘争勝利!
2003 MIC年末闘争決起集会
なくせニュークス!2003
MIC長崎フォーラム アピール
私たちは、被爆58年目の長崎の夏の日に、核兵器の廃絶と平和への誓いを、いま新たにします。
今年の3月20日、世界中の人々に「NО WAR」の声が高まるなか、米英両国はイラクに対する一方的な攻撃戦争を開始しました。また、米英両国は残虐な兵器使用に反対する世界世論をあざ笑うかのように、クラスター爆弾や劣化ウラン弾をイラクの大地に大量に投下し、子どもたちを含むイラクの人々の生命を奪い、いまもいわれなき犠牲を強いています。
イラク戦争は、国連を中心にして平和的に問題を解決しようとする国際ルールを破壊する、非人道的な先制攻撃で始まりました。特に、米国政府が核兵器の使用もありうることを明言しながら戦争を開始したことは、国際法に違反する侵略行為であり、核兵器も戦争もない平和な二一世紀を実現したいとの世界中の人々の願いを踏みにじる、許しがたい行為です。くわえて、米英が口実とした「大量破壊兵器の存在」という嘘で固められたものであったことがいま明らかになりつつあります。米英両国の行動は、人類史上最悪の戦争犯罪として人々に記憶され、人類に対する重大な犯罪として裁かれるべきです。
ところが日本政府は、国民の戦争反対の圧倒的世論を無視し、正義も道理もない戦争をいち早く無条件で支持し、国会の多数の力でアメリカが引き起こす戦争に日本国民を動員する有事法制3法を6月に、無法なイラク戦争へ自衛隊を派遣するイラク特措法を7月に国会で成立させました。戦争放棄を明記した憲法を公然とないがしろにする、戦争への危険な道を突き進んでいます。そのうえ、そうした声を無視し、子どもたちに「愛国心を強要する教育改革」にとどまらず、憲法や教育基本法の改悪までを公然と掲げて、戦争準備にまい進する日本政府の姿は真に平和を希求する世界の人々の理解を得ることはとうていできません。
被爆地長崎から核廃絶を求めて力強い声を上げ続けている高校生平和大使の活動は、私たちの未来に明るい光を与えてくれるものです。「NO WAR」の声は若者を中心に、日本で、世界で、新しい確かな広がりを生み出しつつあります。
イラク戦争のさ中、高まる反戦市民運動を政府与党が「利敵行為」として批判しました。継続審議となっている人権擁護法案や、今年5月に成立した個人情報保護法は、報道や表現の自由を侵す危険性を持っています。現在、自民党が国会提出を検討している『青少年を取り巻く有害社会環境の適正化のための事業者等による自主規制に関する法律案』は、国民の文化的な価値観にまで国家が介入する恐るべき法案です。有事法制が発動されれば、メディアに対して権力批判を許さず、「言わせない、書かせない、撮(録)らせない」などの圧力がさらに強まることが予測されます。一連のメディア規制法と有事法制は相互に連動し、言論、表現、報道の自由を国民から奪い、集会や結社の自由は危機にさらされようとしています。
マスコミ関連産業に働く私たちにとって、日本のマスメディアが戦後の誓いを踏みにじり、再び危険な道を歩もうとしている姿を批判し報道する本来の役割を見失っていることを、深刻に反省しなければなりません。かつて国民の「知る権利」が奪われ、真実が隠された社会がどんな結果を招いたか、この長崎での被爆の実相を今日改めて胸に刻んだ私たちは、決して忘れることはありません。
今日私たちはこの長崎の地に、平和と反核のために力強いたたかいを続けている韓国の仲間を迎え、朝鮮半島を覆う核危機を回避するため、いっそうの連帯を深め共同の取り組みを進めていくことを改めて確認しました。地球の上から忌まわしい核兵器を廃絶するために、私たちはまず北東アジアの非核化を何としてでも確かなものにしていかねばなりません。
マスコミ関連産業に働く私たちは、「戦争をする国」にひた走る日本政府の危険な姿を広く国民に知らせる先頭に立ち、有事法制やイラク特措法(派兵法)の発動を許さず、イラクからの米英軍の即時撤退を要求し、核兵器の廃絶と平和な21世紀の実現をめざす世界中の人々と連帯して闘うことを誓います。
2003年8月8日
なくせニュークス!2003 MIC長崎フォーラム
日本マスコミ文化情報労組会議
日韓緊急言論シンポ共同声明
日本と韓国の言論、ジャーナリズムに従事する労働者で組織する日本マスコミ文化情報労組会議と韓国言論労働組合は、2003年5月28日、東京で緊急言論シンポジウムを共同で開催した。私たちはいま存在する危機を平和的に解決し、朝鮮半島を第二のイラクとしないためにというテーマのもとに終日にわたって議論をおこない、率直な意見の交換を通じて以下のように共同の認識を深め、日韓両国労働者の連帯をいっそう強化することに成功した。
・アメリカのブッシュ政権による、圧倒的な軍事力に依拠した世界政策は朝鮮半島、ひいては北東アジア全体に大きな脅威をもたらしている。
・このアメリカ「帝国」の暴走に歯止めをかけ、朝鮮半島を第二のイラクとしないために、日韓の言論に従事する労働者の果たすべき役割はきわめて大きいことを、何よりもまず私たちは確認する。
・冷戦の終結は、本来「恐怖の均衡」による危うい国際秩序に根本的な解決をもたらしうる世界史的な前進であったはずである。この前進を逆流させ朝鮮半島を世界の火薬庫とするような動きに、私たちは強く反対する。
・北東アジアに平和的秩序を確立することは世界平和の実現のための大きな課題である。北東アジア平和共同体の構築のために、私たちは努力を惜しんではならない。
・この課題達成のための日韓両国政府の努力は十分ではない。とりわけイラクへのアメリカによる武力攻撃に、日韓両国政府が安直に支持を表明したことに私たちは強い危惧を表明する。
・日韓両国政府はアメリカの政策にひたすら付き従うのではなく、誇りある友人としての立場を獲得して、国連の機能回復、復権のために力を尽くすべきである。
・また私たちは、両国のジャーナリズムがアメリカ政府のお膳立てによるイラク戦争従軍報道に安易にたより過ぎ、十分に客観的な戦争報道をなしえたかどうかについても懸念を抱かざるを得ない。
・2000年6月の韓国と北朝鮮による南北共同宣言、2002年9月の日本と北朝鮮による日朝共同宣言は、北東アジアの平和的秩序確立にむけて大きな希望を抱かせるものであった。私たちはこの二つの宣言の精神をさらに前進させ、南北間、日朝間の平和的交渉を軌道に乗せていかなければならない。
・残念ながら、北朝鮮による日本人拉致の実態が明らかにされたことによって、日朝間の国交正常化交渉は暗礁に乗り上げている。拉致問題の解決と日朝間の国交正常化を二律背反の問題としてはならない。
・朝鮮半島の核危機を逆利用することにより、日本で有事法制の確立がはかられ、戦争に向けた体制づくりが進行していることに対し、私たちは深く憂慮する。日本は平和憲法の理念を守り、その精神を北東アジア全体に普遍化することにこそ、その役割を見出すべきである。
・日本、韓国、北朝鮮3ヵ国は核武装への道を永久に放棄することを内外に明確に宣言し、北東アジアを恒久的な非核平和共同体としていくことを、私たちは強く提案する。
日韓両国の関係はここ数年めざましく改善が進んでいる。冷静に歴史を振り返り、日本の軍国主義が朝鮮半島にもたらした大きな物理的かつ精神的被害について、客観的な歴史的評価を日韓両国が共同して進めていくことができれば、両国の友好関係はさらに揺るぎなきものとして確立されるものと確信する。
日韓関係の安定は、北東アジア安寧・平和のために不可欠の条件である。
日韓友好の前進のために、日本マスコミ文化情報労組会議と韓国言論労組はいかなる努力も惜しまず、共同して奮闘していくことをここに表明する。
2003年5月28日 | |
日韓緊急言論シンポジウム | |
日本マスコミ文化情報労組会議 韓国言論労働組合 |
アメリカ軍のイラク国営テレビ局爆撃に強く抗議する
2003年3月28日
日本マスコミ文化情報労組会議(MIC)
議 長 碓井 邦夫
伝えられるところによると、3月25日夜、米英軍はイラクの国営テレビ局を直接の攻撃目標としての爆撃をおこなった。ジャーナリズムに従事するマスコミ関連の労働組合で構成する日本マスコミ文化情報労組会議は、この蛮行に対し、強く抗議する。
この攻撃は、アメリカ、イギリスによる20日の戦争開始後、イラク国民の米英に対する抵抗意思が予想を超えて強いことをみて、その戦意喪失を企図したものと思われる。アメリカ軍捕虜の映像が世界に配信され、アメリカ国民の戦争支持率に影響を及ぼしているといわれる事態に対するブッシュ政権のいらだちの表明とも考えられる。
たとえイラクの国営テレビ局がフセイン政権の一方的プロパンガンダを放送するに過ぎないとしても、その報道内容がいずれかに偏しているとの判断から軍事上の攻撃目標となるのであれば、世界中のジャーナリストは例外なく軍事攻撃を受ける脅威にさらされることになろう。報道の自由を根底から脅かす暴挙というほかない。
また、暗号の代替などイラクのテレビ放送が軍事作戦に直接利用されているとの主張を確証もなく軍事攻撃の根拠とすることは、イラク軍が自らの通信装置を持たず、テレビを見ながら戦闘に従事しているというに等しく、およそ世界の良識ある市民の納得を得ることはありえないであろう。
日本マスコミ文化情報労組会議(MIC)の構成メンバーである新聞労連、民放労連が加盟するIFJ(国際ジャーナリスト連盟)は26日、この攻撃を「ジュネーブ条約で禁止される暴力的検閲活動である」と非難し、国連での調査を要求する見解を発表した。私たちもこのIFJの主張を断固支持するものである。
国際的世論を無視し、国連をも無視して始められたアメリカ、イギリスによる戦争行為こそ明らかに国際法に違反した暴挙である。私たちはあらためて、アメリカ、イギリス両国軍のイラクからの即時撤退を要求する。
以 上
イラク戦争の即時中止を求める緊急声明
米・ブッシュ大統領は、日本時間の3月20日午前11時過ぎ、ついにイラクへの攻撃を開始した。圧倒的多数の国際世論の反対を押し切り、国際法上もなんらの根拠のない無謀な戦争を開始した。
地球は、ブッシュ政権の庭ではない。この戦争は、さまざまな格差は存在しているとはいえ、平和で安全な暮らしを望み、懸命に日々を送る諸国民の権利を真っ向から否定する暴挙である。
他国の意見に対しては聞く耳を持たず、国連安保理での武力行使を容認する決議が困難と見るや、「大量破壊兵器査察検証委員会」の報告・提起を無視し、一方的に「国際協調」を踏みにじったのである。
そもそも、大量破壊兵器の最大の保有国はアメリカである。クリントン前政権が、国際的に公約してきた、世界の安全にかかわる「条約」及び「交渉」のテーブルから離脱するという、民主主義を無視し続けてきたのは、他ならぬブッシュ大統領自身である。
そのことは、アメリカ不信を増大させたブッシュ政権の政策の軌跡をたどれば一目瞭然であろう。
2001年3月以降、『京都議定書』からの離脱表明。7月には英・仏・露が批准した包括的核実験停止条約(CTBT)の批准放棄。同時に、生物化学兵器禁止条約(BWC)の交渉から離脱を決定。12月にはロシアに対して弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約から脱退を通告。翌年9月には、先制攻撃ドクトリンを成文化した国家安全保障戦略を発表している。
以上の事実を見ても、大量破壊兵器が拡散する環境をつくり出そうとしているのは、ブッシュ政権にほかならない。
もはやブッシュ大統領には「平和と正義」を語る資格はない。唯一の被爆国であり、国際紛争解決の手段として武力行使を放棄した平和憲法を持つ日本国の歴史的責務として、日本政府並びに小泉首相は、ブッシュ政権に対して即時イラク戦争の中止を求めるべきである。
2003年3月20日
日本マスコミ文化情報労組会議
議長 碓井邦夫
MIC緊急声明
アメリカのイラク戦争強行に反対する
ブッシュ大統領は本日、イラクに対しフセイン父子の出国のため、48時間の猶予を与え、これに従わない場合には軍事攻撃を開始するという最後通告を出した。これにより米英両国は国連安保理の決議なしに、3月20日午前10時以降(日本時間)戦争に踏み切ると見られる。
国連のアナン事務総長は、安保理の承認なしの武力行使は「国際法の侮辱、国連憲章違反である」と繰り返し警告し、フランスのシラク大統領は「戦争とは別の選択肢があると信じている」と発言し、ドイツのシュレーダー首相も「戦争回避のためにはあらゆるチャンスを利用しなければならない」と言明している。さらに、お膝元のニューヨークタイムスでさえ、17日の社説で「ほとんど孤立した米国は、国際社会の名において戦争を開始しようとしているが、この国際社会は戦争に反対している」と主張している。
しかしながら小泉首相は、3月18日のブッシュ大統領の演説を受け「日本は戦争に参加しないがアメリカ政府を支持する」と表明した。これまで「国際協調」を唱えてきた小泉首相の論理は、見事に破綻した。これほど国際的にアメリカが孤立してきているときに、アメリカにひたすら追随しようとする姿勢を許すことはできない。とりわけ、「これまでにも十分説明してきた」と開き直る発言は、国民を愚弄する独りよがりの極みであるといわざるを得ない。
平和憲法をもつ日本国及びその政府は、戦争をストップさせるために、最後まで最大限の役割を果たすべきである。マスコミ文化情報関連産業で働く私たちは、二度と戦争のために仕事はしない。「平和と正義」の旗を高くかかげ、平和と民主主義を推し進めるために断固たたかう決意を表明する。
私たちは、ブッシュ大統領に対しては武力攻撃の即時中止、小泉首相に対しては米国への追随をやめ、戦争回避のため最大限の努力をするよう強く要求するものである。
2003年3月18日
日本マスコミ文化情報労組会議
第27期中央労働委員会労働者委員の
偏向任命への抗議声明
2002年12月3日 |
日本マスコミ文化情報労組会議 日本新聞労働組合連合 全国印刷出版産業労働組合総連合会 日本民間放送労働組合連合会 日本出版労働組合連合会 映画演劇関連産業労組共闘会議 全国広告関連労働組合協議会 日本音楽家ユニオン 電算機関連労働組合協議会 |
11月16日、政府・厚生労働省は第27期中央労働委員会労働者委員すべてを連合が推薦する候補者によって独占させるという偏向任命を強行した。労働委員会民主化対策会議(全労連・純中立労組懇・日本マスコミ文化情報労組会議)が推薦した今井一雄・民間企業担当委員候補(出版労連顧問)と藤田忠弘・国営企業等担当委員候補(国公労連顧問)を意図的に排除した任命に、我々は強く抗議する。
本年6月に出されたILO結社の自由委員会の勧告は、日本の中央労働委員会労働者委員の任命について「政府が特定の一組織に特別優遇を与えることにより、労働者が所属しようとする組織に関する労働者の選択に直接あるいは間接に影響を及ぼすこと」になり「ILO87号条約に定めた結社の自由原則違反である」としている。にもかかわらず、政府・厚生労働省は、この国際労働基準を無視し不公正任命を強行したのである。
旧労働省の通達(1949年・第54号通牒)には、任命の基準として労働組合系統別に配慮するようにとしている。厚生労働省の調査によれば、連合の組合員約712万人に対して、全労連の組合員は約101万人、全労協の組合員が約25万人、またこれらの三団体に加盟していない労働組合については約339万人の組合員がいる。にもかかわらず、厚生労働省は今回の任命に際して、こうした数字を一切無視し、かつ労働委員会民主化対策会議の統一候補の組織組合員数を全労連の約101万人としかカウントせず、純中立労組懇・日本マスコミ文化情報労組会議の組合員数は数に入れていない。これでは推薦制度は全く意味を持たない。こうした恣意的な任命にかさねて強く抗議する。
労働者の生活と権利を守るためには、労働委員会の民主化が求められている。長引く不況の中で、労使紛争が頻発しているが、労働委員会に持ち込まれずに、裁判所への提訴が多い。これは労働委員会の審査の長期化、命令内容の後退などが原因であるが、同時に労働者委員の偏向任命に対して中労委の信頼喪失、ならびに厚生労働省の権威の失墜も影響している。
我々は政府・厚生労働省が民主主義を復権し、国内外に誇れる厚生労働行政を確立すべきであることを強く要請し、同時に中央労働委員会労働者委員の公正任命実現を求めて、一層奮闘していくことをここに声明する。
戦闘行動への協力態勢を
目指す有事法制に反対する
政府・与党は今国会で武力攻撃事態法など有事関連3法案の成立を目指し、昨日、閣議決定をした。この「有事法制」は日本政府が判断する「有事」の際に、国民や自治体に戦争協力への参加を強制し、自衛隊やアメリカ軍の軍事行動を保障するものである。憲法の平和原則を踏みにじり、言論・表現・報道の自由などの国民の生活権や基本的人権を侵す恐れが極めて強い。与党内にも「慎重審議」の意見があるなかで、小泉内閣は「数の力」を背景にして強引に成立させようとしている。われわれマスコミ関連の労働組合でつくる日本マスコミ文化情報労組会議(MIC)は、戦闘行動への協力態勢確立を目指す法案成立を容認するわけにはいかない。
小泉純一郎首相は「有事法制」について「備えあれば憂いなし」などと平時における準備を強調し、「同時多発テロ」や「不審船」といった事件を口実に利用している。確かに一連の事件は国民に衝撃を与え安全に対する不安感を増大させた。しかし、それらの問題は有事法制が成立すれば阻止できるものではない。むしろ、アメリカとの軍事的関係を強化することで、世界・アジア情勢は一層不安定になり、戦争・テロの危険性が強まることが予想される。
有事法制の内実は単なる侵略阻止の「備え」とは程遠いものである。「武力攻撃事態」という概念は武力攻撃が発生した事態だけではなく、武力攻撃が予想される事態も含むとされる。かつて防衛庁関係者が「周辺隣国に一方的な対日侵攻の意図など全く見えない」と言明している。法案の本質は「日本が武力攻撃を受けるおそれがある」と想定した「有事」下で、アメリカが引き起こす戦争に、政府が必要と判断すればいつでも強制的に国民を動員し、協力させることを狙う点にある。国民生活を統制する個別法も「2年以内に整備する」ことを視野に入れており、政府の姿勢や政策を批判するような言論に対して「有事だから」という理由で規制される恐れが強い。
「有事」には私権の制限や罰則も盛り込まれる。沖縄県民は第二次大戦下で、国に必要以上の協力をした。「指揮系統を失った軍隊になっても、水くみなどを命令され、壕を追い出された。そんな犠牲を払った協力でさえ、戦後、国から『証明できない』と援護法適用を拒否された長い屈辱の時間がある」(琉球新報)という。政治への不信が解消されないなかで、有事の判断を政治家に任せる危うさを国民は感じている。
究極の有事対策は「有事の未然防止」であることは明らかだ。戦争やテロ、対立の根底にある民族間「格差」や「差別」の解決、地域や世界の安定化に向けた真摯な努力こそ必要だ。軍事力にものを言わせた「力の政策」で殺戮を繰り返した20世紀から決別しなければならない。
「有事法制」成立阻止の闘いに、私たちとともに立ち上がることを呼びかける。
2002年4月17日
日本マスコミ文化情報労組会議
自衛隊法改正案の防衛秘密条項、慎重な論議を
今国会にテロ対策特別措置法案とともに提出された自衛隊法改正案には、市民の知る権利にかかわる重大な条文が含まれている。法案は、かつて世論の大きな反対で廃案となった国家秘密法案の一部を先行実施する内容であり、国会の論議がほとんどない中での成立を危惧する。
改正案によると、防衛庁長官が「防衛秘密」を指定し、漏らせば自衛官だけでなく、一般の国家公務員や防衛産業の社員らも5年以下の懲役に処される。これまでは民事上の秘密保持の責任を負っていた民間人や取材者も「正犯」として懲役に問われかねない。
何が守られるべき秘密かは第一義的に防衛庁長官によって決められる一方、情報の漏えいを教唆した者も3年以下の懲役とされる。このまま改正案が成立すれば、報道機関や取材記者に与える萎縮効果はきわめて大きい。たんに防衛問題の報道に自主規制が及ぶだけでなく、防衛に関連した政府・行政の取材にも広く制限がかけられ、メディアを通じた市民の情報開示内容を狭める事態にもなりかねない。
自衛隊についての情報は「防衛秘密」の専権的な指定と処罰の威嚇により、市民の目からは一層届きにくくなる。防衛問題についての批判や監視、民主的な議論が空洞化すれば、自衛隊の独走に結びつく恐れすらある。
なぜ今、防衛秘密条項の改正が必要なのか。このままではテロ問題のどさくさ紛れと言わざるを得ない。国会は、テロ対策とはきちんと分けて、徹底的に開かれた議論をすべきであると考える。
2001年10月23日
日本マスコミ文化情報労組会議
米中枢同時テロ事件、冷静な報道を
米国・ニューヨークなどで9月11日起きた同時多発テロ事件は、同国のみならず世界の平和と秩序を混乱に陥れた。犠牲者は日本人を含めて数千人に及ぶとみられており、犠牲者や家族、関係者に哀悼の意を表したい。罪もない一般市民を巻き込む許し難い蛮行であり、その全容を究明し、関係者とその組織を法の裁きにかけてテロを根絶する必要がある。しかし、米国の支援要請を受けた日本政府は19日、後方支援策として自衛隊派遣を表明するなど、憲法9条、日米安保条約下で規制している自衛隊の行動制約を一気に取り去ろうとしている。敵が見えない世界戦争の様相を呈しており、日本のマスコミはいまこそ冷静な報道を通じて、権力のチェック機能としての役割を果たすべきだと考える。
米国はブッシュ大統領が事件当日から「戦争」だと決めつけ、「報復」を宣言。米議会も圧倒的多数で支持した。テレビのリポーターは「パールハーバー以来の奇襲」と報道。星条旗がいたるところに掲げられ、戦時意識が高揚している。米国本土が同時多発的に狙われた初めてのケースであり、経済も含め米国の混乱は今も続いている。米国政府はテロの最重要容疑者をアフガニスタンに潜伏中のウサマ・ビンラディン氏と特定、同氏とつながる複数のアラブ人を逮捕したと発表している。同氏とその組織に対する報復軍事作戦としてアフガニスタン侵攻を準備し、戦術核兵器の使用さえ検討していると伝えられている。
報復攻撃の支援を求められた日本政府は、小泉首相が「新規立法を含めて総合的にやる」と明言。19日には対応措置として@報復攻撃に自衛隊が後方支援する、A情報収集のため、自衛隊艦船を派遣する、などの7項目を発表した。これが実施されれば戦闘地域への自衛隊の部隊派遣は初めてになる。
今回のテロ行為については日本国民の関心は高く、推移を見守っている。政治、経済に限らず、日本と米国の国際的な役割を考えれば無関心でいられるはずはない。しかし、米国からの報道は検証が難しく、米国発の「報復」「有事」の文字や言葉が紙面や放送で一方的に流される傾向が目立つ。日本の国民にとってマスコミの報道だけが唯一の情報源といってよく、現状の報道が世論を一定の方向、すなわち武力による「報復」を正当化するという危険な方向に導く結果になりつつある。
民族主義や宗教観に根ざしたテロ行為に対する武力での弾圧は、むしろ憎悪を潜在化、拡大するという事実を歴史は証明している。日本は報復攻撃を助長するのではなく、世界に誇る平和憲法を持つ国として、戦争突入を避ける役割を果たすべきではないか。そして、今こそ私たちマスコミで働く労働者が、ジャーナリズムの原点に立ち、何を伝えるべきなのかを冷静に論じ合うことが必要である。
私たちは第二次大戦下の報道を反省し「戦争のためにペンを、カメラを、マイクをとらない、輪転機を回さない」の誓いを立てた。
20世紀は戦争の時代だった。新世紀をテロと報復の時代にしてはならない。
2001年9月20日
日本マスコミ文化情報労組会議
著作物再販制度の存続に関する
公正取引委員会の結論について
2001年3月26日
日本マスコミ文化情報労組会議
議長 今井一雄
公正取引委員会は3月23日に、「当面同制度(再販制度)を存置することが相当」との結論を発表し、10年越しの再販制度見直し論議にけじめをつけた。結果的に私たちの存続の要求が満たされはしたものの、その理由については納得しがたいものがある。
以下、見解を述べる。
1.私たちは、本や新聞の読者、CDのリスナーを「消費者」と呼ばない。私たちは一般の消費財を生産しているわけではないからである。私たちは再販制対象の6品目を、文化的所産として一般の消費財と区別すべきであるし、これらは競争政策に馴染まないと主張してきた。しかし、公取委の発表を見る限りそれが理解されたとは考えられない。
2.この結論が公取委の判断でないことは、「国民各層から寄せられた意見をみると」、同制度が廃止されると「文化・公共面での影響が生じるおそれがある」とする意見も多く、「同制度の廃止について国民的合意が形成されるに至っていない状況にある」から、「当面同制度を存置することが相当であると考える」という理由を見れば明らかである。
3.さらにこうした結論を出しながらも、「競争政策の観点からは同制度を廃止」すべきだし、「今後とも著作物再販制度の廃止について国民的合意が得られるよう努力を傾注する」と決意を表明してさえいる。おまけに「協議会」なるものを設けて動向を監視するとなれば、逆に公取委の決意表明を押しつけられる危険性を恐れる。
4.一方3月14日に発表された、「(同制度の)見直しに関する意見照会・意見聴取等の状況について」によれば、1〜2月にかけて行った消費者団体(計64団体)からの意見聴取に関しては、「全体的にみて、著作物再販制度の廃止を求める意見が多数であった」とのことである。しかし1月25日を期限とした「国民各層からの幅広い意見」の集約では、98.8%が「再販制度維持の意見」であった。いずれにしろ再販制度の廃止を求める消費者団体に、再販制の意義を理解してもらうことは、今後の私たちの課題として残る。
ともあれ、多くの国民が再販制の存続を望んだことは明確である。この世論に、一人公取委が逆らうことのないよう要請したい。また聖域なき「規制緩和」など「国民各層」の誰もが支持しているわけではないことを、公取委は銘記すべきであると考える。
以上
第26期中央労働委員会
労働者委員の偏向任命に
対する抗議声明
2000年11月2日
労働委員会民主化対策会議
全国労働組合総連合(全労連)
純中立労働組合懇談会(純中立懇)
日本マスコミ文化情報労組会議(MIC)
1.11月2日、政府・労働省は、行政の依って立つべき公正・公平の原則を踏みにじり、第26期中労委労働者委員のすべてを連合が推薦する者によって独占させる偏向任命を強行した。全労連・純中立懇・MICが推薦した磯崎弘幸候補を意図的に排除したこの不当な任命は、憲法が保障する「法の下の平等」を政府自らが突き崩し、組合間差別を行った国家的不当労働行為というべき暴挙であり、我々は強く抗議する。
2.労働委員会は不当労働行為等から労働者・労働組合を救済することを目的に設置された行政委員会であり、構成する委員が公正・公平に選出されるべきことは当然である。労働省も任命の基準として労働
組合系統別、産業別などの要素に配慮するよう通達をだしている(1949年・第54号通牒)。労働省の調査によれば、連合の組合員約748万人に対し、全労連・純中立労組懇・日本マスコミ文化情報労組会議の組合員は132万人であり、組合員数の構成比でみても、連合以外での系統から少なくとも1名は任命されてしかるべきである。また、磯崎候補は25もの産業別労働組合からの推薦を受け、7300団体を超える単位組合組織からの支持を団体署名の形で得ている。マスコミ産業の労働運動で長いキャリアを積み、多くの労使紛争を解決してきた磯崎候補の実績に、多数の労働者が信頼を寄せている証左である。推薦団体の規模、産別バランス、本人の経歴と力量、どの要素をとってみても、磯崎氏は中労委労働者委員として適任である。にもかかわらず、磯崎氏は25期に続き、今回も任命されなかった。
3.政府・労働省は1989年の第21期の改選から今期(第26期)まで、連続6期12年にわたって、連合系候補のみを認知し、他の潮流を一貫して無視・排除し続けている。任命権者が候補を形式的には審査の対象としながらも、実質的には全く審査しないこと、あるいは、積極的にわたしたちの系統に属する組合の推薦する候補者を労働者委員から排除することを意図して任命しないことは、推薦制度の趣旨に反するものであり、裁量権の逸脱に当たる行為である。
4.これほどまでにわたり、繰り返し特定潮流のみを任命してきた行政の、常軌を逸した偏向姿勢は、直ちに是正されなければならない。それは民主主義の根幹にかかわる問題であるだけでなく、実際に労働委員会を利用する労働者・労働組合の不利益を生み出しているからである。1997年5月15日に東京地裁から出された「中労委労働者委員任命取消裁判」判決では、「このような任命(注:連合独占の任命)をめぐっては、地労委等において労働者委員の忌避等の問題が発生し、労働委員会制度の運営等に重大な支障が生じていることが認められる。したがって、任命権者としては、今後は、これらの事情を踏まえて、労働者委員の設置目的をも考慮しながら、より適切な任命のあり方を検討していくことが要請されているといえよう」と認定しているのである。
5.政府のかたくなな姿勢にもかかわらず、この間の労働委員会民主化を求める我々の運動は、多くの労働者委員経験者や法学者・弁護士、そして働く仲間たちからの支持を得て、全国的なたたかいへ発展し
てきた。結成10年を超えた全労連や、純中立労組懇、MICの存在をこれ以上無視することはできなくなっているのである。
我々は、政府によってくりかえされる偏向任命という異常な行政を正すために、多くの労働組合と共闘し、要求の実現にむけてたたかう決意を表明するものである。
日の丸・君が代法の
拙速成立に抗議する声明
日の丸・君が代を国旗、国歌とする法律が、長崎に原爆が落とされた8月9日成立した。広島の県立高校長の自殺をきっかけにした唐突な法案提出以来、公聴会を含めてわずか12日間の審議で、法制化された。MIC(日本マスコミ文化情報労組会議)は国民の思想信条にかかわる法律であり、広範な国民的合意は形成されていないとして、より一層の慎重審議を求めてきた。しかし、結果は国民的論議どころか、国会審議さえ尽くすことなく、拙速かつ強引に成立させてしまったことは民主主義を踏みにじる暴挙と言わざるを得ない。後世間違いなく、日本が偏狭なナショナリズムへの後戻りを始めたとして、歴史に記憶されるであろう。
国旗・国歌は、広く国民が合意できるものでなくてはならない。さらに、どんな形であれ、国旗や国歌を教育や、文化・スポーツなどの現場に強制することは絶対に許されない。
なぜ、日本人の多くがすがすがしい気持ちで日の丸を眺め、君が代を歌うことができないのか。なぜ、アジアを中心とする海外の人々が日の丸・君が代に強い嫌悪感を抱くのか、二週間にも満たない衆参の審議では、どちらの疑問も明確な回答は出なかった。また、「生徒・児童の内心に立ち入って強制はしない」と言う一方、教職員には強制する態度を示しており、愛国教育と憲法が保障する思想信条の自由との間で、教職員の苦悩はますます深まっていくと言えよう。
日の丸を掲げて、アジア諸国を蹂躙し、広島、長崎の悲劇をもって無条件降伏したという半世紀前の歴史認識も、君が代と主権在民との整合性もあいまいなままであり、法律とするにはあまりに問題が多すぎる。
MICは内外の世論を無視した拙速・強引な国旗・国歌法の成立に強く抗議するとともに、学校などでの強要に断固反対する。
1999年8月9日
日本マスコミ文化情報労組会議(MIC)
議長 今井 一雄
国旗・国歌法案の
拙速採決に反対する
1999年7月22日
日本マスコミ文化情報労組会議(MIC)
議長 今井 一雄
衆院内閣委員会は21日、国旗・国歌法案を可決し、22日には衆院本会議で可決、ただちに参院に送付され、今国会で成立する見通しとなった。慎重審議を求める大方の声に対応する4日間の公聴会などを含め、その審議日数はわずか6日間でしかなかった。
私たちはすでに、この法案を強行・拙速採決する政府の真意に異議を唱えてきた。政府は1991年の湾岸戦争を契機に、92年にはPKO協力法を成立させ、名実ともに憲法を形骸化し、戦後の平和主義の理念を崩壊させた。そして今国会では日米新ガイドライン関連法を成立させ、時代錯誤の国家総動員体制の仕上げとして、ついに日の丸・君が代論議に世論を誘導するという深刻な状況を作り出してきた。国旗・国歌の法制化は単に「国民の間に定着している」から「きちんと法定していく」といった問題ではなく、それを背景に国家への忠誠を国民に強制しようとするもので、思想・信条の自由を侵す暴挙である。
この採決にみられるように、いま国会は与野党のご都合主義的な政争に明け暮れ、国民の意思と民主主義をないがしろにし、その間隙をぬって政府はまさに火事場泥棒のような暴挙を繰り返している。公聴会や有識者の参考人質疑は、一体何のためだったのか。
法案の内容はもとより、こうした政府の強硬姿勢がアジアの諸国民に理解を得られるとは到底考えられない。繰り返しになるが、国旗・国歌の法制化を図るとするならば、先ず求められるのは先の大戦の戦争責任の明確化と清算であり、アジア諸国との和解であろう。
こうした観点の論議が殆どなされないまま、且つ非民主的な拙速採決を行うことは、今後の国のあり方に禍根を残すことになろう。
よって私たちは、「国旗・国歌に関する法案の拙速採決に強く反対する。
以上
労働者派遣法・職安法改悪案
採決強行に強く抗議する
1999年6月30日
日本マスコミ文化情報労組会議
本日、すべての労働団体の反対を無視して、労働者派遣法と職業安定法の改悪案が審議を尽くすこともなく、参議院で採決され可決・成立した。
そもそも労働者の雇用のありかたの根本にかかわる法案を、あらゆる労働団体が反対するなかでかくも一方的に採決に突き進むことは、まさに民主主義を踏みにじる行為としか言いようがなく、私たちは強く抗議する。
既にマスコミ産業では、多くの『派遣』労働者が常用雇用の労働者と混在して活躍している。いま、最大の問題はこれらの派遣労働者が正規雇用の労働者と同じ仕事をしながら、比較にならないような低賃金を余儀なくされ、しかもきわめて不安定な雇用関係におかれていることである。憲法の保障する「健康で文化的な最低限の生活」の維持すら困難な環境におかれ、将来の生活設計さえままならない人たちが多数を占めているのである。
なおかつこれらの『派遣』の中には、派遣先の責任逃れのためにいわゆる請負の形態をとって長期間働く『偽装請負』が横行している。本来労働行政がとるべき道は、一刻も早くこのような違法・無法状態をただし、派遣労働者の劣悪な環境の改善を最大限に追求することであろう。
しかるに、本日成立した改悪派遣法・職安法は、こうした現状をあらゆる職種に拡大し、派遣労働者がいまおかれている過酷な状況に背を向けて、企業のリストラ・利潤追及のために労働者を犠牲にして顧みない改悪である。労働者保護という本来、労働行政のとるべき基本的立場を完全に放棄したものと断ぜざるを得ない。
派遣労働者の多くは、労働組合に加入して自分たちの最低の権利を主張する機会さえ奪われている。私たち、マスコミ文化情報関連産業の労働組合はこうした未組織のままにおかれている圧倒的多数の派遣労働者の仲間との連帯・共闘を今後真剣に追及していくとともに、派遣法・職安法改悪の意図する雇用破壊を許さず、公正・公平な働き方を産業全体に確立していく決意を表明するものである。
以 上
国旗・国歌法案に反対する声明
1999年6月16日 日本マスコミ文化情報労組会議 |
議長 今井一雄 新聞労連 全印総連 民放労連 出版労連 映演共闘 広告労協 音楽ユニオン 電算労 |
政府は6月11日の閣議で、日の丸・君が代を国旗・国歌として法制化する「国旗
及び国歌に関する法案」を決定し、同日午後に衆院に提出した。政府・与党は今国会
での法案成立をめざしている。
政府は、1991年の湾岸戦争を契機に、92年にはPKO協力法を成立させた。
ここに名実ともに憲法は形骸化し、戦後の平和主義の理念は崩壊した。そして今国会
では日米新ガイドライン関連法を成立させ、時代錯誤の国家総動員体制の仕上げとし
て、ついに日の丸・君が代論議に世論を誘導するという深刻な状況を作り出してき
た。国旗・国歌の法制化は単に「国民の間に定着している」から「きちんと法定して
いく」といった問題ではなく、それを背景に国家への忠誠を国民に強制しようとする
もので、思想・信条の自由を侵す暴挙である。
日の丸・君が代は、明治憲法下の教育によって国民に強いられてきたものである。
そして、天皇制・軍国主義が引き起こしたアジア太平洋戦争における、日本の侵略の
シンボルとして、アジアの諸国民に受け取られたものであった。日本は未だアジア太
平洋戦争の清算を成しえていない。仮に国旗・国歌の法制化を図るとするならば、ま
ず求められるものは、戦争責任の明確化と清算であり、アジア諸国との和解であろ
う。このことを成さず、且つ隠蔽したまま、国旗・国歌の法制化を強行しようとする
ならば、日米新ガイドライン関連法とともに、新たなる戦争の時代に日本は突入した
と解釈されることは明らかである。このことによって、アジア諸国の日本に対する不
信感は抜きがたいものになり、孤立はますます深まるであろう。
よって私たちは「国旗及び国歌に関する法案」に強く反対する。
以 上
盗聴法に断固反対する
1999年6月23日 日本マスコミ文化情報労組会議 (MIC ユニオンズ) |
議 長 今井 一雄 新聞労連 全印総連 民放労連 出版労連 映演共闘 広告労協 音楽ユニオン 電算労 |
去る6月1日に参院本会議で可決された「通信傍受法案」は、参院法務委員会に掛かっており、成立する恐れが強い。この間の審議を通じて、諸外国にも例を見ない悪法に対する危惧の念と危機感が募っている。
私たちは、まず第一に警察による過去の盗聴行為が、いかに悪質なものであったかを想起せざるを得ない。第二に、そうした土壌は「組織犯罪対策」をどれほど強弁しようとも乱用のおそれを払拭できない。乱用されれば憲法で保障されている基本的人権を侵害し、民主主義の根幹を揺るがすものになる。
法案の内容は、公明党の修正案を加味しても、無原則盗聴の歯止めにならない。一般市民のプライバシーの侵害はもとより、とりわけ私たち報道機関にとって、取材・報道の自由を侵す危険性が指摘されている。この法案は、令状に記載された犯罪と無関係な会話は盗聴をやめるとあっても、その後の会話は聞けるし、通話相手の逆探知は令状の必要がない。さらに、犯罪と関係ないと判断されれば、当事者への通知も不要とされている。
盗聴される危険性があるとすれば、報道現場の情報収集や取材活動は制限されるし、記者自身のプライバシーも侵害されることになる。権力を監視する立場にある報道機関が、逆に権力の監視下に置かれることになりかねない。警察による監視社会の再来は、絶対に許されない。よって私たちは「通信傍受法案」に断固反対し、廃案を求める。
盗聴法の強行採決に抗議し、
廃案を求める共同声明
捜査機関が電話や電子メールなどを合法的に盗聴できる組織犯罪対策法(盗聴法)案が6月初めにも衆院で可決される恐れが濃厚になっている。新聞労連、民放労連、出版労連のマスコミ3単産はこの法案成立に断固反対し、国民的議論を尽くさず拙速に国会通過を図ろうとしている自民、自由、公明3党の暴挙に強く抗議する。
3党の共同修正案は、盗聴の対象を薬物、銃器、集団密航、組織的殺人に限定し、立会人の常時立ち会いを義務づけているが、対象を決定するのはあくまで捜査機関側であり、立会人のチェック権限や能力も不明なままである。乱用の恐れがあり、基本的人権を侵す憲法違反の悪法であることは明らかだ。
とりわけ、報道機関にとって盗聴法は、取材源の秘匿と記者のプライバシーを侵害し、言論・報道の自由を脅かす。
報道現場に携わる者は、情報収集が日常作業であり、いかなる相手であろうと接触を図らなければならない。その中には、警察、検察が盗聴の対象にしている組織が含まれている可能性があり、電話がつながった瞬間、ジャーナリズムが守らなければならない取材源の秘匿は保てなくなる。ニュースソースを守れない状態で、自由な取材や報道はできない。さらに恐ろしいのは取材記者自身も盗聴の対象になりうることだ。事件と関係のないプライバシーに関することであれ、録音はされないものの、捜査員がすべて盗み聞きしており、後日、脅しの材料に使われかねない。
警察による過去の盗聴事件をみても、その悪質さは明白であり、権力と対峙するマスメディアやジャーナリストであればあるほど、弱みを握るために盗聴される恐れが強い。
また、マスコミが警察権力に陰で圧力を加えられるようなことになれば、真実の報道、自由な言論活動が著しく阻害され、一般市民は直接的な人権侵害ばかりでなく、知る権利も奪われ、二重の意味で多大な被害を受ける。
この悪法が、警察、検察の思いのままに乱用されれば、権力を監視する者はいなくなり、半世紀あまり前のものが言えなかった暗い時代が再びやってくる。戦前、戦中、時の言論・報道機関が、真実を伝えず、大本営発表を垂れ流していた歴史的事実を思い起こせば、盗聴法が時計の針を戻す危険きわまりない法案であることは誰しもが理解できるところであろう。
日本を見ざる聞かざる言わざるの警察国家に逆戻りさせかねない法案が国会で十分審議されることもなく、公明党の修正案に自民、自由両党が全面同調し、衆院で強行採決されようとしている。天下の悪法を党利党略の具にすることは爆弾で遊ぶ愚行に等しい。心ある政治家であれば、その危険性を認識できるはずだ。
言論・報道に直接携わる新聞、民放、出版
の3単産を代表して、組織犯罪対策3法案(盗聴法案)の成立に断固反対し、参院での審議を尽くしたうえ、廃案にすることを強く要求する。
1999年5月28日 |
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日本新聞労働組合連合中央執行委員長 日本民間放送労働組合連合会中央執行委員長 日本出版労働組合連合会中央執行委員長 |
服部 孝司 岩崎 貞明 今井 一雄 |