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No.84 2011.3.10 18:51
名前 関西の鬼
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タイトル 過労死の無い職場を!
本文 「過労死防ぐ社会を」 労災認定訴訟、

25日に判決 

産経新聞  2011.3.4  

 入社4年目にひとり息子が鬱(うつ)病で命を絶ったのは過重労働が原因だったとして、母親の西垣迪世さん(66)=神戸市須磨区=が国に労災認定を求めた訴訟の判決が25日、東京地裁で言い渡される。システムエンジニア(SE)として地上デジタル放送の開始に貢献したが、抗鬱薬などを大量に服用し死に至った。「若者が過労死する社会になったことが悔しく、悲しい」。遺族たちの思いを受け止め、弁護士らが5日、「職場の自殺」をめぐる電話相談を行う。
 長男の和哉さんは専門学校卒業後の平成14年4月、川崎市内の大手IT企業に就職。即戦力として2年目には地デジのシステム開発を任された。月150時間を超える残業に加え、たび重なる仕様変更と納期に追われた。終電後、机に突っ伏し翌朝まで仮眠することもたびたびで、37時間連続勤務の日もあったという。

 そのさなか、睡眠障害から鬱病を発症。休職と復職を繰り返した末、抗鬱薬などを大量服用して18年1月、27歳で亡くなった。ブログには「このまま生きていくのは死ぬより辛い」「おれが死んだら友達も母親も悲しむだろうな。でも終わっています」との言葉があり、寮の部屋には、パソコンに向かう自分の写真が無造作に張られていた。

 2度目の休職中、西垣さんは帰省した和哉さんに「命が大事。もう会社を辞めて」と言ったが、和哉さんは「SEの職場はみんな辛い」「上司の期待に応えたい」と、振り切るように寮へ戻ったという。

業務と死亡との間に因果関係があったか否かが争いとなり、川崎北労働基準監督署が労災を認めなかったため、西垣さんは21年2月、東京地裁に提訴。昨年12月、法廷で「息子の二の舞になる若者を二度と出さないでほしい」と意見を述べ、結審した。

 そうした思いが、訴訟の枠を超えた活動に自らを駆り立てている。「全国過労死を考える家族の会」の一員として、厚生労働省や国会議員に過労死防止の基本法制定を求めている。

 西垣さんは「ひとり息子を失った時点で私は一度死んだ。勝訴しても、生き返るわけではないのが苦しい。労災を正しく認め、これ以上の過労死を防ぐ社会であってほしい」と話す。
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