映演共闘会議は、映画演劇関連産業労組共闘会議の略称です。
 映演共闘は、松竹、東映、東宝など、日本映画の大手企業の労働組合、関連する映画館や劇場、アニメ製作会社、演劇の劇団、大道具や小道具などの美術製作会社、アメリカ映画の輸入配給・DVDやビデオ制作販売部門の労働組合、現像、ホテル、食堂等々、さまざまな仕事をしている仲間の労働組合、映画やテレビ製作のフリースタッフを主とする個人加盟方式の労働組合が、加盟しているナショナルセンターのちがいをこえた「ゆるやか連合組織」として1960年に発足し、以来40数年間「一致する要求で運動を進める」方針で活動してきました。1960年代には大映の再建闘争をはじめ、にっかつ撮影所買戻し闘争、虫プロ再建闘争、東映動画やアメリカ映画での解雇撤回闘争など労働者の生活と職場、権利を守る闘いを前進させてきました。また毎年「映画演劇放送研究集会」を開催し映画、演劇、放送の産業的・文化的発展をめざす運動をすすめてきました。映演共闘が1998年から14年間、映像職能連合(日本映画監督協会など映画製作スタッフの職能団体の連合組織)、日本俳優連合、日本芸能実演家団体協議会(芸団協)とともに取組んだ「フリーの映画カメラマン瀬川浩さんの労災(過労死)」裁判で得た成果は、国がフリー映画(メイン)スタッフを労働基準法の「労働者」として認めたケースとして注目されています。
 2003年から、松竹、東映、大映、日活の大手映画会社を主力とする映画演劇労働組合総連合(当時、現在は「映画演劇労働組合連合会」と改称)が、運動や財政(組合費)問題での意見の違いから映演共闘を休会していますが、MICにはダブル加入方式で「映演共闘会議」「映演労連」ともにMIC加盟組織です。
 現在、映演共闘は個人加盟労組「映演アニメユニオン」のジャパンヴィステック松本純子さん不当解雇撤回闘争、アメリカ映画20世紀フォックスのDVD・ビデオ会社(20世紀フォックス ホームエンターテイメント)の金子清長君不当解雇撤回闘争、阪急資本の撮影所つぶしと闘う宝塚映像闘争など争議支援の運動を重点的にすすめています。また、民放労連とともに取組んでいるテレビ番組制作現場の労働条件・製作条件改善の運動も重要な課題として取り組みを強めています。憲法擁護の運動では「憲法労組連絡会」に参加し「職場から、日本国憲法をかかげて運動を!」を合言葉に活動をすすめています。


 デジタル時代を迎え、印刷の職場も変化しています。印刷機械・製版機械・組版機械はデジタル化が進み、労働内容もかつての暗いイメージから様変わりしています。しかし、労働諸条件は旧態依然、他のマスコミの職場に比べて賃金は押さえられ、査定が賃金や一時金に拡大されています。こうした状態を改善するために、私たちは次のような活動を進めています。
1.働きやすい産業とするために、ダンピングをなくす労働諸条件の底上げ、当面、定時間で単身世帯主(約25歳に相当)年収350万円、4人世帯主(約40歳に相当)年収470万円、年間1800労働時間の実現を目指しています。
2.地場産業振興のための諸施策と落札価格の低下を招く入札制度を改善するよう行政に要求しています。
3.コンピュータなど技能修得のための教育の充実を図ります。
 私たちの労働組合は、都道府県ごとの地方組織に個人でも加入することができます。


 わたしたち新聞労連は、朝日、毎日、読売をはじめ、北は北海道、南は沖縄まで日本全国80余の新聞社・通信社、新聞産業の関連会社に働く者で組織されている、新聞界で唯一の産業別統一組織です。わたしたちは新聞の社会的使命の自覚の上に立って、言論・報道の自由、平和と民主主義の擁護のために頑張っています。
 事実の報道の追求、読者の知る権利に応えられる新聞作りを目指して新聞研究集会や、市民・読者との対話集会など、全国で様々な集まりを開いています。
 わたしたちの先輩は、先の侵略戦争の反省から、戦後いち早く新聞産業に労働組合を結成、日本の平和と民主主義の確立の為にたたかってきました。わたしたちは、その伝統を受け継ぎ、平和のためにペンを、カメラを取ろう、輪転機を回そうと決意し、紙面の質の向上、そして、それを保障させるゆとりある職場環境作りを通じて、働くものの地位向上、日本文化の向上のために日夜奮闘しています。


 広告労協は、広告会社だけではなく、広告制作やSP会社なども含め広告に関連する幅広い職場を対象にした組織です。現在、加盟組合は58組合、オブザーバー組合が2組合で、組合員数は8000名を超えています。労働組合の協議会ですが、個人加盟できる労働組合もあり、実際には広告に関連する職場の人であれば、誰でも加盟できます。広告関連の職場は、長時間労働が当たり前、クライアントには絶対服従、など社会的イメージとは違い、前近代的な労働実態があります。かなり改善されたといえ、雇用形態が不安定、時間外手当の不払い、一方的に解雇、など個人からの相談が相次いでいます。
 また、労働組合からの相談も多く、要求や交渉の仕方から、人事制度改変への対応など、幅広い課題が持ち込まれています。協議体というゆるやかな組織形態が、良い意味での話しやすきをもたらしていると言えます。


 民放労連は民放産業で唯一の労働組合の連合体として運動をすすめています。日本テレビ、TBS、フジテレビ、テレビ朝日、テレビ東京の5つのキイ局の組合をはじめ、準キイ局、ローカル局、広域∪局、ラジオAM・FM局、衛星放送、CATV、制作・技術プロダクション、放送関連会社などの企業別組合が加盟しており、企業籍に関係なく加入できる放送スタッフユニオンなどの個人加盟方式の組合もあります。
 視聴者のための放送をめざす運動を民放労連は結成以来、とりわけ重視しています。視聴者・市民に開かれた放送制度、記者や番組制作者の権利の確立、言論・表現・報道の自由、国民の知る権利の確保をすすめるため、報道フォーラム、営業フォーラム、ラジオ会議、アナウンス研修会、制作技術研修会を随時開催し、職能を高める運動もすすめています。また、1994年には民放労連が中心となってメディア総合研究所を設立し、放送を取り巻く課題やこれからの放送のあり方について研究をするとともに、『放送レポート』を発行(隔月刊)しています。


 ジャズでもポピュラーでもクラシックでも、コンサートに行けば、そこではユニオン会員が演奏しています。放送局の音楽番組やドラマの音楽・映画のサウンドトラック、CD、カラオケの製作にもユニオン会員が参加しています。指揮者やソリスト、有名タレントそれに作・編曲家そして演奏を支える人たちの中にもユニオンの会員がいます。このように音楽ユニオンは、音楽に関係する仕事に携わるという共通性で結集している個人加盟の組織です。放送局やレコード会社と交渉して、基準になる演奏料・出演条件等を決め、演奏料等の支払いをガラス張りにしています。音楽家を様々なところへ供給し、生演奏の場を拡げています。演奏料の不払いや一方的な解雇に反対し、音楽家の職場と生活を守っています。独自の共済制度をはじめ楽器保険など楽譜や楽器などについていろいろなサービスが利用できます。会員が行なう演奏会には助成を行ないます。高度情報化社会の影響を研究し対策を考えています。平和な社会を守る運動も取り組んでいます。音楽に関わる仕事をしている人すべてに信頼されるユニオンを目指しています。


 出版労連は、書籍・雑誌発行会社、教科書・教材会社、取次会社、小売会社、業界紙、編集プロダクションなど、さまざまな出版関連産業の労働者で組職している出版産業唯一の産業別労働組合です。いま日本には出版社は4,260社以上、その本を卸す取次会社は約50社、小売書店は約7,040店以上あり、企業間の差が大きいのが特徴です。
 出版労連の特徴の第一は、こうした大・中・小企業の労働組合を統一し、特に小さな組合に注意をはらいながら運動していることです。例えば企業籍をもたないフリーランスの個人加盟組織の出版ネッツや規模・業種・雇用形態などに関わりなく出版労働者が加入できる個人加盟組織=出版情報ユニオンなどがあります。また5,800人が加入している出版共済会などの活動があります。
 第二の特徴は、言論・表現と出版の自由、平和と民主主義を守ることを規約にもかかげて、運動の基本にすえていることです。第三の特徴は、出版産業と出版企業の健全な発展のために、産業政策・要求をかかげ、困難な経営状況などを労働者の知恵で改善させていることです。


 電算労はコンピュータの職場で働く人の労働組合(ユニオン)です。30年以上の歴史を持ちます。賃金、残業、派遣の問題に取り組んできました。最近は新しい技術の問題に取り組んでいます。さらに、情報化社会への関心を高めています。
 電算労には、SE、プログラマ、OAスタッフ、データエントリなどの人たちが集まっています。 賃金のこと、残業のこと、派遣のことなどコンピュータの職場で働く人がいつでも相談し、頼りにすることができます。技術を大切にして、みんなで助け合って、安心して働ける職場作りと仕事確保(労供事業)を進めています。コンピュータ業界で働く人ならだれでも(一人でも)加入できます。企業の中だけでは解決できない問題については、業界団体、関係行政に対し申し入れを行います。


 映演総連は2004年10月18日の第53回定期大会で、名称を「映画演劇労働組合連合会(略称:映演労連/えいえんろうれん)に変更しました。映演労連とは、映画・映像・演劇産業に働くもので組織された産業別労働組合です。映演労働者の労働条件向上、雇用と権利の擁護、日本映画や演劇への公的支援の拡充、撮影所を守る闘い、平和運動、憲法改悪反対、「映画の自由と真実を守るネットワーク」「映画人九条の会」など、様々な活動を行っています。
 USENへの企業売却に反対する日活闘争ではUSENの日活買収白紙撤回表明を導き出し、組合も賛成するインデックスのスポンサー参入が確定しました。第54回定期大会では全労連への正式加盟を決議したほか、2年後の個人加盟方式による単一労組「映演労組」化を目指し、積極的な議論を継続しています。またようやく実現することが出来た映画・アニメスタッフの実態調査の成果を元に、フリースタッフの組織化についても一層運動を強めていきたいと考えています。さらに業界団体である映画製作者連盟(通称映連)、文化庁、映像産業振興機構など諸団体に対する交渉を今後も継続し、産業課題の解決を目指していきます。

 




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