連載第二回目は、製造業などで特に問題になっている、偽装請負について考えたいと思います。
我々情報サービス産業界でも、2004 年に行われた東京都の「派遣・業務請負適正化キャンペーン」の実施結果報告で情報サービス産業における重大違反事例として「構造的多重派遣」と「一人請負派遣」が指摘されてました。これらは、実態は派遣なのに請負契約をしていることも意味しています。まず、請負についてみていきます。請負とは、Ａ社が何らかの仕事の完成を約束し、Ｂ社がその仕事の結果に対して報酬を支払う約束をすることにより成立します。Ａ社とＢ社、さらにＡ社の仕事をするＣさんを交えた関係は、以下のようになります。（ＣさんがＡ社の社員の場合）
- 請負関係 ・・・ Ａ社とＢ社
- 雇用関係 ・・・ Ａ社とＣさん
- 特に関係なし ・・・ Ｂ社とＣさん
以上のような関係（本来の請負）では、Ｃさんは、�ゞ般蛙觜圓亡悗垢觧惻─μ仁疆�は、Ａ社から受ける、�∀�災等の社会保障をＡ社から受けることが出来る、等の権利・義務が生じます。 このようなＣさんが、Ａ社の請負先であるＢ社において業務を遂行する際に、以下のようなことが発生しているとします。
- 指揮・命令が、Ｂ社からなされる。
- Ａ社の責任者がいないか、いてもＢ社の命令を伝えるだけ。
このように、請負といいながら、実態は派遣であるような場合に、偽装請負となります。偽装請負が行われる背景などを考えてみるのも、勉強になると思います。皆さんも調べてみて下さい。
以上、第二回目は、偽装請負についてまとめてみました。私は、この業界に入って直ぐは、仕事を覚えて早く一人前になろうと思っていましたが、いつのころから、建設業界と同じ構造で、元請ばかりが肥えて中小企業は割に合わないなあと思うようになりました。労働意欲を失ってしまった訳ではありませんが、この業界を一度離れる要因ではありました。
（組織部：H.O.）
