小番さん本人は、自社の役職は「課長代理」、客先では「チーム・リーダー」です。チームのメンバーはリーダー含めて4人です。このチームはシステム開発のある範囲を請け負う仕事はしていません。「開発支援作業」と呼ばれる仕事をしています。客先の、ある開発プロジェクトの中の3つのグループにそれぞれ所属しています。

グループAグループBグループC
リーダー:顧客の会社の課長
東和システム:小番さん
その他の会社の人
リーダー
東和システム:1名
その他の会社の人
リーダー
東和システム:2名
その他の会社の人

「開発支援作業」として何をしているのかというと、プロジェクトの管理や障害管理などの作業のかたがわりをしているそうです。確かに、大きな開発プロジェクトであれば、そのような管理業務を専任で行う人・チームを置くことがあります。私の今の仕事でも障害管理のために数人のチームを置いています。

このような形で東和システムの社員が客先のプロジェクトの別々のグループに所属しているので、小番さんは「チーム・リーダー」だとはいっても、他の 3人に作業の指示をすることはありません。「リーダー」もしくは「課長代理」らしい仕事としては、毎週出退勤の報告を自社に送ること、年休等の届け出書類に自分の印を押してこれもやはり自社送ること、くらいです。当日の証言でお聞きできたのは。他の3人のメンバーの人事評価はしていないそうです。

承認欄が空欄のままの書類

この勤怠に関わる書類について、反対尋問で被告側から衝撃の証拠が提出されました。承認欄に小番さんの印だけが押されていて、その上の職位の欄が空欄のままの書類です。被告側が何を言いたいのかよくわからないまま、なにわともあれ私の頭の中をよぎった言葉は「空欄のままじゃだめでしょう!?」です。小番さんも少々驚かれた様子で、「それは、どの時点の書類ですか?」と言われていました。被告側は、課長代理の小番さんの承認だけでメンバー休暇が承認されている、つまり、管理職としての役割を果たしているということを主張したかったようなのですが(たぶん、結局はっきりとした発言をお聞きできなかったので推測ですが)、でも、空欄のままじゃだめでしょう!?

勤怠の手続きについて明文化された規則とか無いのでしょうね。

土曜に客先で会議

システム開発を受託して自社で作業するような場合でも、お客様との会議とシステムの導入作業だけは先方の都合に合わせるしかありません。客先で会議があること自体は問題ありません。しかし、それが土曜日に開催となると、普通の状態ではありません。

私の場合、プロジェクトのサブ・リーダーやリーダーなどの役割を受け持つようになって 8年ほどたちますが、休日の会議は経験ありません。その日計画していたテストスケジュールが延びて定時後になってしまったことが一度あっただけです。ちなみに、今の客先では、お客様のリーダーさんが 5/1 に会議を設定しようとしたとき、プロジェクト・マネージャさんが「その日はダメ」と止めました。よりによってメーデーの日にやっては、自社の労働組合にも怒られますから。

 
はじめに 目次 現場で上司と部下が逆転